Mr.R(以下:R):新人リハビリK君、元気がないみたいだけど、どうかしましたか?
新人リハビリK君(以下:K):利用者さまに体がこわいから、今日はリハビリを休ませてほしいと言われてしまって・・・・。その方は最近うつっぽくて辛そうで。本当に辛いなら無理に運動しなくてもいいんじゃないかと思っちゃうんですよね・・・・。
R : 辛い気持ちに寄り添うことは大事ですね。しかし、リハビリの視点から考えるとそれだけ では、なかなか解決できないかもしれませんよ。運動することが薬代わりにもなる可能性がある、今はそんなことがわかってきていますよ。
K : えぇ~、そうなんですかぁ!Mr.R、ぼくに教えて下さい!
R:では、まず筋肉について。筋肉は体を動かすだけではなく、筋肉からホルモン様の伝達物質が分泌されていることがわかっています。
その中のひとつに
BDNF(脳由来神経栄養因子)があります。
BDNFとは、神経細胞の発生、成長、維持、再生を促進させるもので、記憶中枢である脳の海馬に多く発現するほか、血液中にも存在しています。血中BDNFの濃度を調べると、認知症やうつでは大幅に低下します。またBDNF濃度が高いと記憶力や学習能力などの認知機能評価スコアが高いなど脳機能との深い関わりがわかっています。
K : へぇぇ、BDNF。ちょっと小難しい感じがしますが、大切なものなんですね。筋肉から脳
に作用するものが分泌される・・・ってすごいことだと思います。
R : このBDNFは運動すると増えるということがわかっています。
また筋肉からは他のいろいろなホルモン様の伝達物質が分泌されており、運動により分泌されるものや、通常の時にも分泌されるものもあります。そのため、筋肉の量を保つということも重要な意味をもっています。
k:と、いうことは運動すると、うつの人では減っていたBDNFが増えて、よくなる可能性が
あるし、認知症にも良い効果が期待できるということですね。
R : 運動にはそのほかにも様々な効果があります。ですが、全てを教わっていては自分の勉強
にはなりませんよ。
K : うっ、そうですね。ぼくもいろいろ調べてみます!
R : よかった。K君、元気がでてきたみたいですね。
K : はい、利用者さまに運動して頂けるように、もっと工夫してみます。
R : ところでK君、生活動作も運動ですからね。
K : はい、この前に勉強したからわかってます!
R : おやおや、K君も成長してきましたね(笑)
老健かけはしでは、体操や筋力トレーニングなどもおこなっていますが、生活場面でのリハビリに重点を置いています。
詳しくは「おしえてMr.R!~老健のリハビリってなんですか?~」(2021年4月9日)をご参照ください。では、今後の「おしえてMr.R!」シリーズもどうぞお楽しみに!
※写真の掲載についてはご本人さまの承諾を頂いております。
Posted by hatahata-fish
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